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都立高校で化学を担当しています。 剣道部の顧問をしています。

by giyaoa

アニリンの合成

三年生は、ラスト2回の授業です。

本日はアニリンを合成してみました。

実は恥ずかしながら、教員になってからは初めてやる実験です。

教科書に掲載されているような実験を素のまま行ってみました。

ベンゼンをニトロ化。硝酸と硫酸の混酸にベンゼンを入れ、湯浴で加熱。
しばらくすると、においが変化してきます。

淡黄色のニトロベンゼンが合成されます。

酸を含んだ水の層とニトロベンゼンの層を分けるのに苦労しました。

アニリンの合成_e0087446_1432464.jpg


大きく油滴となっていれば水の層だけを流すのに苦労しないのですが、小さな油滴が水の中に無数に散らばっているような状態。


プリントには、「ニトロベンゼンを流さないようにこぼす」という風に書いてあるのですが、水の層の上に浮いた、細かく散っている油滴を「こぼさないように水だけ流す」というのは不可能で、結局駒込ピペットを用いて油滴だけ別のビーカーに入れました。

アニリンの合成_e0087446_1365662.jpg水を加えると、油滴が沈みます。こうなれば何とか酸を洗い流すことも可能です。

ニトロベンゼンを別の試験管に入れ、今度はアニリンの合成です。
できたアニリンをジエチルエーテルで抽出、蒸発皿でやりましたが、時間短縮と、あまり蒸気を吸わないために、ドラフトチャンバーを使用しました。

みるみるうちに蒸発し、固体が残りました。

アニリンかどうかを確かめるために、さらし粉溶液を加えると、黒っぽく・・・・。
溶液が濃すぎたようです。さらに水を加えると、紫色に変化。
アニリンが確認されました。

初めての実験だと、書かれているようにはうまくいきません。
改善点のある実験でした。
by giyaoa | 2007-01-12 20:42 | 授業